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「実母による代理出産」学会発表について。

2008.08.20

この度当院の根津八紘院長が、8月28-29日に開かれる第26回日本受精着床学会総会・学術講演会(於:福岡国際会議場)におきまして、一般演題の中で約6分間のお時間をいただいて「実母による代理出産」の発表をさせて頂くこととなりました。


これまで、代理出産の実施は日本産科婦人科学会などにより会告で禁止されていたため、このような学会の場で発言させて頂くことはかないませんでした。


しかし、昨今の世論の高まり、そしてこの代理出産の問題がきちんと議論されなくてはいけない問題であるとの認識を持ってくださった関係者の方々によって今回初めてこの学会の場に院長が立たせていただきましたことに、厚く御礼申し上げます。







第26回日本受精着床学会総会・学術講演会


8月28日 (木) 福岡国際会議場

G会場 10:39〜11:15(うち約6分間)

一般演題 (カウンセリング・看護2 )

1-G-15 根津 八紘
「実母による代理出産」


ポスター会場におきまして発表内容の展示も行います。


  

多くの医療従事者の方々、また一般の方々にも、広くこの問題を考えて頂き、様々な方面より前向きに議論されより良い形での運用法を見いだしていただくきっかけに少しでもしていただけたらと願っております。


また、抄録でも出させて頂いている61歳の実母による代理出産のケースですが、当院で行われたこの出産が、現在日本国内での最高齢出産となるようです。

何度も申し上げておりますが、当院では高齢出産を奨励してはおりません。しかし代理出産に関しましては社会のサポート体制のない日本の現状で最もトラブルが起こりにくい代理出産の形として実母による代理出産を行っております。この場合の妊娠は通常の高齢妊娠出産とは異なり、妊娠前に詳しく行われる母体の健康診断、そして妊娠7ヶ月頃から当院の付属施設に滞在して頂き毎日健康チェックを行うといった当院の医療サポートの中で母子ともに安全に出産に至った結果であるということをご認識ください。


当院と致しましては、代理出産というものが日本の中で前向きに議論され、悪用されることなくより良い形で日本国内で実施され、子宮がなく悩み苦しんでいる方々が希望を持ちながらご自分のお子さんを愛情と責任によって持ち、堂々と育てていくことができるようになることを強く望んでおります。





以下、院長コメントです



来る8月28日、福岡における第26回日本受精着床学会において、私が当院のガイドラインのもと施行して参りました代理出産に関しご報告させて頂くこととなりました。


今回初めてこのような形で代理出産に関することを発表する機会を頂けたことは、日本受精着床学会の医療に対する真摯な姿勢の結果と大変感謝する次第です。


学会における発表のタイトルは「実母による代理出産」であります。その抄録集をご覧になった報道関係者より発表内容につきまして様々なご質問がきております。特に61歳で出産に至った代理母のケースは日本における最高齢の出産例となるのではないかとのことでそのことのみが一人歩きをはじめております。


今回、日本産科婦人科学会の禁止方針また日本学術会議の「代理出産原則禁止」という報告とは異なり1997年より施行して参りました代理出産に関する発表を行う意味は意図は以下の主旨であることを改めて確認させて頂きます。























1. 生まれながらにして子宮のない、または何らかの事情で子宮摘出を受けた女性が存在し、その女性が排卵可能であるならばご自身の配偶子による実子を得ることが可能であること。
2. そのような女性が実子を得る為には代理出産という方法しかないこと。
3. 国内では事実上、代理出産が不可能な状態にあること。
4. 結果、海外に代理出産を求めること。また、その際の実態は把握できないこと。
5. 心臓移植などにおいても国内で解決できない為、海外に求めてきたこと。また子どもの臓器移植は今も海外のみでしか行われない事実があること。

このような事態と自国のことを他国に求める姿勢に関し、一人の医師として放置できず、代理出産に臨む当事者(代理母家族と依頼者家族)の自己責任、当院の責任の範囲において私は関わって参りました。


当初は兄弟姉妹間でありましたが、現在のような社会のサポート体制のない状態、また代理母側も依頼側も非公開下での妊娠経過・出産では、たとえボランティア精神のもとスタートしても少なからずマイナートラブルを起こしやすい状態にありました。


その点、高齢という点はあるものの実母が代理母になる場合は最も問題を起こしにくい形と考えられます。ただし自然界ではあり得なかった高齢妊娠・出産に関する様々な危険性は充分考えられます。その点は充分考慮しながらの実施でありました。そしてその結果が60歳で治療開始、61歳で出産というケースを生むこととなりました。


5例中4例は妊娠出産に至り特別大きな問題もなく経過、出産後の代理母も子どもも問題なく健康でおられます。


これだけのケースで結論を出すつもりではありませんが、なんの公的サポートもない中での国内での代理出産は、このような方法でしか施行不可能な状態にあります。


今後、国内でのより良い形で代理出産の道が開かれることを強く望んでおります。


このような代理出産の実施を私があえて公表をし続けている理由を今一度お考えいただき、今回の学会報告に関し「61歳の日本最高齢出産(?)」という点のみクローズアップされ報道されることは、私の本意とは大きく異なることをご理解頂きたくこの場で述べさせて頂きました。



2008年8月20日 諏訪マタニティークリニック院長

根津八紘




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