日本学術会議による代理出産に関する報告書の法務・厚労両省への提出に当たり
2008.04.16
諏訪マタニティークリニック
根津 八紘
本日、日本学術会議の代理出産に関する報告書が、法務・厚労両省に提出されました。
「代理出産原則禁止、公的医療機関での試行」という結果に関しては、何ら変わることなく最終的な内容となって提出されました。
このことに関しては、既に私共の考え方はお話させて頂いてありますが、ここにもう一度まとめさせて頂きます。
| 1. | 17回に亙る日本学術会議「生殖補助医療の在り方検討委員会」における検討に際し、一番大切にしなければならなかった代理出産を必要とする当事者の意見が、ほとんど反映されていないこと。 |
| 2. | "試行"ということに関する内容が見えて来ないと同時に、一人の人間の受精から始まり、妊娠・出産・育児に関することを試行として位置付けることは"人体実験、人格実験"に外ならないということ。 |
| 3. | 例え少数とは言え、生まれながらにして子宮の無い人は今でも誕生している。また、晩婚化の中で子宮癌等により子宮を失う女性は今後も増えて行く。このまま行けば、そのような人達の自分の子供を手にする唯一の手段である代理出産への可能性を完全に断つことになること。 |
| 4. | 例え日本国内では禁止しても、海外での代理出産を求める人は、欲求度からして今後も増えて行くものと考えられる。その人達は、結局外国の女性の子宮を、今後も借り続けることとなる。代理出産禁止の最大理由とも言える代理母の危険性に関し、自国の女性には配慮、外国の女性においては無視し続けることに対する日本国の倫理観とは。 |
| 5. | 代理出産容認54%の民意を軽んじたことの意味するものは。 いずれにしても、日本人の知的代表者の出した国に対する報告書としては、弱者を差別、排除する何物でもなく、到底納得し得るものではない。 |
ロキタンスキー症候群や子宮摘出は、誰にでも起こりうる問題です。
今後は当事者の方々の声を、より多くの国民のみなさまに届け、明日は吾ヶ身という意識の下でこの問題について広く考えて頂けるようにしていきたいと思います。また、当事者無視の法律を作らないで頂く為に立法府へも働き掛けて行きたいと考えております。

